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逆流性食道炎の検査・診断
検査
  1. 内視鏡検査

    食道上皮に発赤や糜爛・潰瘍、腫瘍がないか検査する。

  2. 食道内pHモニタリング、食道への胃酸逆流を評価する。24時間検査し、食道内pHが急速に4以下に低下したときに酸逆流と認める。
診断

逆流性食道炎の診断は内視鏡検査(胃カメラ)がきわめて有用です。食道粘膜の炎症 の有無や程度(ただれ具合)がわかります。逆流に伴う食道の発赤やびらん(ただれ)が認められれば診断できます。ただし症状はまさしく合致するものの、この食道の変化がごく僅かであったり、認められない場合にはあとで記明します。

内服治療を行って症状が改善するかどうかで判断します。そのほかの方法としては、バリウムなどの造影剤を飲んでいただき体位変換などで胃の中の造影剤が食道に逆流するかをみる検査やペーハーモニターといわれる器械を使って食道への胃液の逆流を調べる検査などがあります。

症状から胃酸逆流を疑い、食道内pHモニタリングで確定診断する。内視鏡は重症度分類の助けとします。GERDは、一般に症状と内視鏡検査で診断します。症状と内視鏡検査の結果が合わないとき、あるいは、生活スタイルと逆流の関係や逆流物のPH(酸性かアルカリ性か)を検査する場合には、24時間PHモニターという検査が有効です。

食道裂孔ヘルニアでは下部食道括約筋の機能を測定する食道内圧測定を行うことがあります。胃切除を受けられている方には胆汁の逆流を測定することが有効なこともあります。

食道と下部食道括約筋

食道は、口と胃をつなぐ消化管であり、その蠕動運動により口から摂取した食事や水分を胃に運搬しています。食道と胃のつなぎ目付近に、胃に入った食物が食道に逆流しないようにする機構があり、下部食道括約筋と呼ばれています。

口から食べた食物は、順次、食道の蠕動運動で胃へと運ばれていきますが、タイミングよく下部食道括約筋がゆるむことで、食物は胃へと流れ込みます。しかし、下部食道括約筋の機能低下が生じると、強い酸性である胃液が食道へ逆流することになります。

生活注意点
  1. 食の改善
  2. 生活の改善

日常生活においては消化の良いものを取り、過食をさけ、食後横になるなどの逆流を増強する行為を避け、就寝時には頭を高くする(Fowler体位)。大食いや脂っこい食事を減らし、食直後に横になる習慣や就眠前に食事をとる習慣をやめることが推奨されます。

日本人の食道ガンの90%は扁平上皮ガンだが、胃酸の逆流の結果起きる癌は腺ガン(治療成績が極めて悪い)で、今後増加することは間違いないと警告されているので、逆流性食道炎と言われたら、胸焼けなどの自覚症状の強弱に関係なく、きっちりと服薬し、普段の生活態度(暴飲暴食、早食い、食後すぐに横になる)にも注意すると共に、定期的な胃内視鏡検査を受けることが重要です。